2016年5月10日火曜日

『IKKOAN』 水上力 IKKOAN制作委員会・著

和菓子を世界へ!
今や日本を代表する和菓子職人
水上力さんが七十二候を和菓子で表現

水上さんを初めて知ったのは、
私が23歳、京山さんで修行中のとき。
その時のエピソードは、
に書きましたのでここでは繰り返しません。
以来、20年以上私淑しております。

業界紙「製菓製パン」の取材記事を中心に、
dancyu 、Cafe Sweets など、
取材記事をすべて切り抜き、
それらをすべて自作の年表に落とし込んで、
水上さんが何歳の時に
何を思い、何をしたのか、
事あるごとに眺めています。、

そんな水上ファンの私にとって、
忘れることのできないエピソードを紹介します。

いつものように、アポも取らずに突然伺ったところ、
なんとテレビの取材が入り、撮影の真っ最中でした。
一真庵の柳瀬さんなど、
優秀なお弟子さんを何人も育成した水上さんですが、
その時はたまたま一人で取材を受け、
てんてこ舞いしています。
「よかったら手伝っていくかい?」
このとき初めて、水上さんの仕事・技を
間近で一日中拝見することになるのです。

その時のVTRは今でも宝物です。
インタビューの中で
「和菓子は先人から脈々と受け継がれ、磨かれてきました。
私もその一点に過ぎず、自分の持っているものは、
すべて次の人に伝えたいと思っています」
と答えています。

「次の人」というのは、
普通はお子さんやお弟子さんですが、
水上さんの凄いところは、
和菓子に対する情熱を感じる人であれば、
職業や国籍を超えてオープンなところです。

パリでゼロから苦労して起業されて、
今では世界を代表するパティシエ
青木定治さんもその一人です。

まだ青木さんが日本にお店を構える前の2004年。
水上さんと青木さんのコラボ・スイーツ
「我亦ミルフィユ」
の発表は衝撃的でした。

和菓子関係者だけではなく、
日本中のパティシエや洋菓子愛好家が
水上さんに注目することとなります。

トップ・パティシエしか入会を許されない
ルレ・デセール協会の25周年記念式典で、
和菓子のデモンストレーションを披露すると、
遂に国境を越えて、
外国人パティシエやシェフが、
和菓子の魅力に魅了されるのです。

【和菓子を世界へ!】

2008年にパリで和菓子の紹介をしたのを皮切りに
ロサンゼルス、バルセロナ、ミラノなど、
世界各地で和菓子の魅力を紹介し
大きな反響を受けてゆきます。

日本にとどまらず、
海外のオーディエンスにまで、
日本文化の魅力を紹介する想いが、
今回の著書「IKKOAN」に結実しています。

・日本人の美意識を「七十二候」の菓子で表現
・解説は日・英・仏の三か国語で
・制作費の一部はクラウド・ファンディングで

など、和菓子職人として日本初の挑戦の連続。
着想10年、制作5年と、
ご出版までの道のりは、
決して簡単ではなかったと思います。

本書だけでなく、
水上さんの生き方そのものが、
私にとって人生の指針となっています。

私も先人の知恵に敬意を払い、
大切な和菓子文化を次の人に、
世界に!
お伝えできるようになりたいものです。

素晴らしい本をありがとうございます。

【文責 宮澤 啓】

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『IKKOAN』

水上力・著 / IKKOAN制作委員会
制作統括:南木隆助



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本書の紹介は「宮越裕生」さんのコラムが、写真と言い文章と言い秀逸です。
リンクで紹介しようと思ったのですが、まれにリンク先の記事が無くなったりすることもありますので、備忘の意味も込めて本ブログにコピーで保存させて頂きます。
↓以下の記事はすべて宮越裕生さんの文章です。↓