2014年11月29日土曜日

『甘い対決「和菓子の東西」展』 虎屋文庫・著

菓子に文化を添えて売る和菓子店
「虎屋」が主催する年に1~2回の企画展の資料
なんと無料!

今年もありがたいことに、
東京から和菓子教室の依頼を受けました。

せっかく東京に行くならと、
朝一番のお菓子作りを終えると、
大好きなお菓子屋さん2軒を訪ねました。

小石川の菓匠は、日本にとどまらず、
外国の方に和菓子を紹介する先駆者です。
現在も72候の菓子を
フランス語で紹介する著書を執筆中です。

NZ訪問前に、いただいたアドバイスがなかったら、
私は和菓子職人と粘土職人の違いを、
うまく伝えることが出来なかったかもしれません。

『和菓子職人はお菓子が作れたら終わりじゃないぞ』
『そこに先人の想いを、その菓子の歴史を添えるんだよ』
『食べておいしくて、さらに物語を感じて頂けるのが和菓子』

そんな菓匠ご夫妻がおすすめして下さったのがコチラ。
虎屋文庫さんの企画展です。
会期間際とあって、たくさんの来場者で一杯です。

和菓子の東西対決で一番興味深かったのが、
『あなたの故郷の桜餅はどっち?』
という公開調査です。

桜餅の東西の歴史については、
以前ブログで取り上げたところ、
元祖が東京!京都!!という白熱した議論が、
コメント欄で展開されて度肝を抜かれたことがありました。
郷土愛の深さを感じたものです。

「甘い対決」の中では登場しませんでしたが、
今、一番気になっていたのは、『亥の子餅』。
地域により、お店により、職人により、
これほど違うお菓子はめずらしいと思います。
一幸庵と虎屋の亥の子餅

同じ名前の菓子が、これ程違うのはなぜ?

500年近い歴史を持つ虎屋さんなら、
「これが本物!」という答えがあるものと思って、
思いきって質問してみました。

すると、「こう作るのが正解」
という雛形はなく、
多種多様に発展しためずらしいお菓子、
ということがわかりました。

歴史的には、
源氏物語にも登場する、
1000年の歴史を誇る「亥の子餅」。

室町時代から、
餅菓子を中心に宮中のお菓子を引受けていた
「川端道喜」さん。

ちなみに川端道喜さんの亥の子餅はコチラ。
(「和の菓子」 高岡一弥・企画監修より)
実にシンプルです。

大きさも碁石ほどの小ささだったことから、
徳川3代将軍・家光は、
家臣の厄除け招福を願って配る際、
節分の豆まきのようにバラまいたと伝えられています。
(「和菓子の京都」 川端道喜・著より)

歴史的背景や由来、縁起に関しても、
諸説あり、調べれば調べる程、
奥の深い菓子です。

本日は、虎屋文庫さんの1冊の資料から、
来年度、私らしい「亥の子餅」が、
たくさんの物語を添えて誕生するかもしれない、
というお話しでした。


【文責 宮澤 啓】

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『甘い対決「和菓子の東西」展』
虎屋文庫・著 非売品



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2014年11月22日土曜日

『笑うスイーツ-ゴージャス・カワイイ』 ルコラニコラ・中村 史 著



お菓子を見ると笑顔になる。

小さい子供からおじいちゃん、おばあちゃんまで、
お菓子が好きな人はお菓子を見ると笑顔になる。
洋菓子ならキラキラしたケーキ、色とりどりのマカロン、
誰もが好きなチョコレート。
和菓子だったら黄金色のカステラ、アニメのキャラクターも大好きな
どら焼き、そして何よりも色々な花や形を現した上生菓子。
どんなに塞ぎこんでいたり、緊張した心持ちでいても
お茶と一緒にお菓子を食べれば
いつの間にか心はほぐれて笑顔になっている。

この本はそんな人を笑顔にするお菓子そのものが
笑っているというとてもユニークなものだ。
もちろん笑っているだけではなくて、困った顔だったり
おとぼけた表情だったりもするがどれを見てもつい
和んでしまう。

こちらは以前母が本屋で見つけて「こんなのどう?」
と買ってきてくれたもの。
身内が選んだものだけあって、私の好みの
こんなお菓子が載っていた。
p20、21の”ケロッパーズ”は草もちの合わせの部分を
カエルの口に見立てた思わずなるほど!!と
言ってしまうようなお菓子。
草もちの色合いはカエルそのままだし、広い合わせ目は
大きな口のカエルらしさがよく出ている。
(なぜ好みかといえば私は無類のカエル好きだから
というのはすこし余計な話だ。)
草もちは職場でも作るが、こうして見ると
また違った印象に見えてくる。

p24、25の”どらTARO”はどら焼きが
太陽の塔のあの顔になっている。
TAROはもちろん太陽の塔の製作者である
岡本太郎さんのこと。
挿入文で筆者の中村さんが言っている
”芸術家が焼いたらこうなりました”という言葉が
なんともその通りで、むしろいろいろな人が
色々な考えでどら焼きを焼いたらどうなるんだろうと
想像してしまった。

ちなみにp42の市販品でつくる笑うスイーツの
ページでは銘菓「ひよこ」が使われていて、
自分も小さいころアレンジというほどでは無いが
「ひよこ」を切ったりくっつけたりして
別のものにしていたなぁなんてすこし懐かしくなった。

仕事で作る、商品としてのお菓子とはまた
違った魅力を持った笑うスイーツたち、
家族や友達へのプレゼントにしたらきっと
受けること間違いないだろう。
クリスマスも近いことだし、こんな人を笑顔にする
お菓子でパーティーを盛り上げるのもいいかもしれない。

【文責 加部 さや】


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『笑うスイーツ-ゴージャス・カワイイ』
ルコラニコラ 中村 史・著 学習研究社



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