2013年11月26日火曜日

『季節を楽しむ和菓子12か月』 おもたせ菓子研究室・著



私は豆大福が大好きだ。
和菓子の中で一番と言っても
過言ではないだろう。
そこで今回選ばせていただいたのが
こちら。

『贈り物にしたい 季節を楽しむ和菓子12か月』は、
”おもたせ菓子研究室”のお二人が
手塩にかけて作り上げた
豆大福を表紙にした
私の理想とも言える本だ。
作り方から手順の細かい写真、
さらにはラッピングされたものまで載っている。

ラッピングはどれも、作った人の
思いや性格まで見えてきそうな
温かみを感じるもの。
手書きで書かれたラベルも
包まれたお菓子の美味しさをさらに
引き立たせるようだ。

ひと月に二種類ずつ紹介された
和菓子の中で、私が特に素敵だと思ったのは
”黒豆大福”に加え、
”きみしぐれ(蝶々)””枝豆餅”の3つ。

”黒豆大福”は、一般的な豆大福と違い
大粒の黒豆を使っている。
さらにはそれを餅生地に混ぜるのではなく、
生地に載せるようにして
餡を包餡しているのだ。
そのようにして作られた生地からは
黒豆が程よく透けて見えて
思わず手を伸ばしたくなる。

”きみしぐれ(蝶々)”は、
今まで見たことのないそぼろ状になったもの。
綺麗な黄色に、今にもほろほろと崩れそうな
黄身餡が春の野に一面に咲く
菜の花を思わせる。
そこにちょこんと乗った蝶々が
春らしさを強調して、食べるのが
もったいなくなるような可愛らしさだ。

”枝豆餅”は、淡い緑色の餅の中に
枝豆と砂糖だけで作られた枝豆餡が
たっぷりと包まれている。
きっとこれを手に持てばやわらかい餅の食感越しに
ずっしりとした重さが伝わってくるのではないだろうか。
枝豆の出回る時期にしか
作れないこのお菓子。
一度これを食べれば、次の年からは
夏が待ち遠しくなることだろう。

これらのお菓子は、”おもたせ菓子研究室”の
お二人が主催するお菓子教室で
作ることが出来るそう。
ぜひ一度、こちらにお邪魔して
お二人とお話をしてみたいものだ。

【文責 加部 さや】


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おもたせ菓子研究室・著 家の光協会



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2013年11月20日水曜日

『和菓子』 NHK「美の壺」制作班・編集




和菓子の魅力を三つの切り口で
映像(DVD)と合わせることで魅力が倍増

本当に、本当に不思議なご縁で、
海外で和菓子の紹介をする講師を引き受けました。

まったく和菓子を知らない外国の方に
『和菓子とは何か』を実演しながら説明せねばなりません。

私の持ち時間は1時間。
何を伝えるべきか?

何十冊も和菓子の本を読みこむ中で、
切り口の鋭さに脱帽したのが本書です。

何が凄いって、和菓子の魅力をたった三点に絞ったことです。

さらに、放送(DVD)を通して、
インタビューした職人の肉声や手技、
高橋美鈴アナの卓越したナレーションを楽しむことが出来ます。

類書で紹介済みのこともありますが、
本書で初めて知ったこともありました。

P.42 「菓子が季節を連れてくる」の水無月の説明。

菓銘の通り六月だけに登場するこの菓子の由来のひとつは、
『氷室から切り出した氷を模した』
このことは知識として知ってはいました。

しかし「氷室から氷を切り出し献上する道中の映像」は初めて見ました!

文献で紹介されていたことは真実だった、
そして今でも脈々と受け継がれているんだとわかり、感動しました。

水無月の例だけでなく、
和菓子の歴史を知る上で貴重な文献の原本の映像も、
本書の内容に深みを与えています。

本書は、映像(DVD)と併せて読むことで真価を発揮します。
両方楽しまれることをお勧めします。

【文責 宮澤 啓】

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NHK「美の壺」制作班・編



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本書の中で、個人的に「お宝」となっている一文があります。
追記にその一文と理由をご紹介します。